人気のペニンシュラキッチンのメリットとデメリット、おすすめのポイント
コラム
ペニンシュラとは半島という意味があり、ペニンシュラキッチンとは、半島のようになった対面式のキッチンのことを言います。
一般的な古い間取りの賃貸などでは壁付けキッチンといって、キッチンが壁に沿って設置されており、ダイニングやリビングの家族と対面はできない間取りとなっていることがほとんどです。それに対して、ペニンシュラやカウンターキッチンと言われる対面型のキッチンは作業中にも家族とのコミュニケーションができる間取りと言えそうです。
対面式のキッチンとしてはアイランドキッチンと呼ばれる物がありますが、こちらは島のように室内の壁には接していなく、キッチンが中心となるような作りになります。片側が壁についていることで、一部を壁とすることも比較的容易にできます。
今回は人気のペニンシュラキッチンのメリットやデメリット、おすすめのポイントなどをお伝えします。
目次:
ペニンシュラキッチンのメリット
1.コミュニケーションが取りやすい
部屋の一部にカウンター式などで飛び出す形で配置されるため、作業中にもリビングなどの家族とコミュケーションが取りやすい作りとなります。
2.解放感がある
壁付きなどと違い、作業場の全面がひらけているので、解放感ある間取りとなります。
3.生活感を程よく隠せる
アイランドキッチンと違い、一部は壁に接しているため、壁を少しキッチン側へ広げて生活感を隠すことも可能です。コンロ周りなどは油が跳ねたりなど実用面でも、その部分にだけ壁を設けるといったこともおすすめです。アイランドキッチンでは開放的すぎるが、壁付きではなく対面式にしたいという場合には、ペニンシュラ型がおすすめと言えそうです。
ペニンシュラキッチンのデメリット
デメリットとしては、壁に面していないため調理中の匂いや油などが部屋に充満してしまうということが挙げられますが、先ほどあげた一部に壁を設ける方法などで解消が可能です。 その他、壁付きキッチンでよくある吊り収納などがつけられないなどで収納が少なくなってしまうということがありますが、パントリーを設ける、壁側を全面収納とするなどで解決できます。
ペニンシュラキッチンを選ぶ際のポイント
1.設置場所のサイズを把握
ペニンシュラキッチンを導入する際は、設置場所のサイズを正確に把握することが重要となります。キッチン本体の幅や奥行きに加え、調理や移動のしやすさを確保するためのスペースも考慮しましょう。特に、通路幅は1人作業の場合80cm程度、二人作業の場合は120cm程度あるとスムーズな動線が確保できます。狭すぎると使い勝手が悪くなり、広すぎると作業効率が下がるため、バランスを意識しましょう。
2.予算を決めておく
ペニンシュラキッチンはデザイン性や機能性によって価格が大きく変わります。システムキッチン本体の価格だけでなく、施工費や周辺設備の費用も含めた総予算を事前に決めておくと安心です。また、食洗機やIHコンロなどのオプションを追加する場合は、費用が増えることも考慮しましょう。理想のキッチンをつくるためには、コストと必要な機能のバランスを考えることが大切です。
3.コンセントの場所と個数
ペニンシュラキッチンを快適に使うためには、コンセントの配置と個数を計画的に決めましょう。調理家電を使う場所をイメージし、必要な位置に設置することで作業効率がアップします。また、コードが邪魔にならないように足元やカウンター下にコンセントを設置するのもおすすめです。将来的に家電を増やす可能性もあるので、余裕を持った配置を検討すると安心でしょう。
4.収納を確保する
ペニンシュラキッチンは開放的なデザインが魅力ですが、収納スペースが不足しがちです。特に、壁付けの吊戸棚がない場合、調理器具や食器を効率的に収納する工夫が必要になります。引き出し式収納を活用したり、キッチンカウンター下に収納スペースを設けたりすると、スッキリとした空間を保てます。使用頻度の高いものを取り出しやすい位置に配置して使い勝手を向上させましょう。
ペニンシュラキッチンの実例3選
1.木目の全面収納がおしゃれなペニンシュラキッチン
ナチュラルな木目が印象的なペニンシュラキッチンは、落ち着いた雰囲気と機能性を兼ね備えています。リビング・ダイニングとつながる開放的なレイアウトで、家族との会話を楽しみながら作業ができます。キッチン全体を統一感のある木目調で仕上げることで、インテリアとしても美しく、温かみのある雰囲気になりました。さらに、カウンター下や背面にはたっぷり収納を設け、調理器具や食器をすっきりと整理できる工夫も施されています。
2.オリーブグレーとブラックのモダンなペニンシュラキッチン
スタイリッシュなオリーブグレーのシステムキッチンに、ブラックの壁でアクセントを加えたモダンなペニンシュラキッチン。シックな色合いが洗練された印象を与えつつ、汚れが目立ちにくいのも魅力です。背面にはキッチンと統一感のあるオリーブグレーのカウンター付き収納を設置し、たっぷりの収納スペースを確保しました。オープン棚と扉付き収納を組み合わせることで、見せる収納と隠す収納を使い分けられます。正面には小上がりの畳スペースとリビングが広がり、家族の様子を見守りながら作業ができる、快適で機能的な空間です。
3.収納が充実した温もりあふれるペニンシュラキッチン
白と木目の組み合わせが優しい雰囲気を醸し出す、明るく心地よいペニンシュラキッチン。清潔感のある白いシステムキッチンは、IHコンロを採用することでお手入れがしやすく、日々の掃除も簡単です。背面には木製のカウンター付き収納棚を設け、調理家電を置いたり、ごみ箱スペースを確保したりすることで、スッキリとした空間を実現。さらに、キッチン前面には手元を隠せるカウンターを設置し、生活感を抑えつつ収納力もアップ。リビングに散らかりがちな小物を収めるスペースとしても活躍し、機能性と美しさを兼ね備えた温もりあふれるキッチンになっています。
まとめ:ペニンシュラキッチンは、設計段階で相談しましょう
個室の間取りなどは、後から自分たちで用途を変更することも可能ですが、キッチンとなると設備も高額で大きく、後で変更するのが難しい場所と言えます。 かつ、キッチンやダイニングは毎日の生活に欠かせない場所であり家族のコミュニケーションや団欒に深くかかわる場所です。 毎日の家族の暮らしを想像し、使い勝手がよく、家族で過ごしやすいキッチンを考えることがとても大切です。専門家と相談しながら、収納や使い勝手をよく考えて進めていくと良いでしょう。 毎日使う場所ですから、デザインにもこだわりつつ家族とたのしく過ごせるキッチンとしてペニンシュラキッチンを検討してみてはいかがでしょうか。
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著者:一級建築士 岸 弘