断熱やUA値とは?高断熱住宅の基礎知識と家づくりのポイント
コラム

これから家づくりを始めるなら、住宅の断熱性能にも注目してみましょう。今回は、断熱の基礎知識をはじめ、断熱性能を考えるうえで欠かせない「UA値」の意味や、高断熱住宅のメリット、断熱性能を高めるポイントについて分かりやすく解説します。
目次:
断熱とは?

断熱とは、住宅の内と外で熱の移動を抑える性能です。夏は外の暑さが室内へ入りにくく、冬は室内の暖かさが外へ逃げにくくなります。壁や屋根、床、窓などの断熱性能を高めることで外気温の影響を受けにくくなり、一年を通して快適な室内環境を保ちやすくなります。また、冷暖房効率が向上するため、省エネや光熱費の削減にもつながる、住まいづくりに欠かせない性能です。
断熱性能を示す「UA値」とは?
UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅全体からどれくらい熱が逃げやすいかを示す数値です。数値が小さいほど断熱性能が高く、夏は涼しく冬は暖かい、快適で省エネな住まいにつながります。また、国が定める断熱等級や、省エネ性能の高い住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、さらに高い断熱性能を目指す設計基準であるHEAT20でも、UA値が重要な指標として用いられています。家づくりでは、間取りやデザインだけでなく、UA値にも注目して住宅性能を確認することが大切です。
断熱と気密の違い
断熱が「熱の移動を抑える性能」であるのに対し、気密は「空気の出入りを抑える性能」です。断熱性能を十分に発揮するためには、住宅の隙間を減らして気密性能を高めることも重要です。家に隙間が多いと、そこから熱が逃げたり外気が入り込んだりするため、せっかくの断熱性能を十分に活かせなくなってしまいます。快適で省エネな住まいを実現するためには、断熱と気密の両方をバランスよく高めることが大切です。
断熱性能が高い家のメリット

外気の暑さ・寒さの影響を受けにくい
高い断熱性能を備えた家は、外気温の影響を受けにくく、室内の快適な環境を保ちやすくなります。夏は外からの熱気を、冬は冷気の侵入を抑えるため、季節を問わず過ごしやすい住まいを実現できます。
室内の温度差を抑え、快適に暮らせる
高い断熱性能は、リビングだけでなく廊下や脱衣所などとの温度差も小さくしやすく、家の中を快適な環境に保ちます。冬場の急激な温度変化によって起こるヒートショックのリスク軽減にもつながり、家族が安心して暮らせる住環境を実現します。
冷暖房効率が向上し、省エネにつながる
高断熱住宅は、一度冷暖房で快適な温度にすると、その室温を保ちやすくなります。冷暖房機器への負担やエネルギー消費を抑えられるため、光熱費の削減につながるだけでなく、環境にも配慮した暮らしを実現できます。
断熱性能を高めるポイントは?

断熱材を適切に選び、隙間なく施工する
壁や屋根、床など、それぞれの部位に適した断熱材を選ぶことが大切です。屋根は夏の日差しの熱を受けやすく、床は冬場に冷気の影響を受けやすいなど、部位によって熱の伝わり方が異なるためです。また、どれほど性能の高い断熱材を使用しても、施工に隙間があると十分な性能を発揮できません。断熱性能を高めるためには、適切な断熱材の選定と、隙間なく丁寧に施工することが重要です。
窓・ドアなど開口部の断熱性能を高める
住宅の中で最も熱が出入りしやすいのが、窓やドアなどの開口部です。そのため、家全体の断熱性能を高めるには、開口部の断熱対策が欠かせません。特に窓は、ガラスとサッシの組み合わせによって断熱性能が大きく変わります。例えば、熱の出入りを抑えるLow-E複層ガラスや、熱を伝えにくい樹脂サッシを採用することで、室内の快適な温度を保ちやすくなります。
まとめ
断熱性能は、住まいの快適性や省エネ性、暮らしやすさを左右する重要な要素です。UA値だけでなく、断熱材や開口部、気密性能なども含めて住宅性能を総合的に確認することで、一年を通して快適に暮らせる住まいにつながります。長く安心して暮らせる家を実現するためにも、デザインや間取りだけでなく、住宅性能にも目を向けて家づくりを進めましょう。
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著者:一級建築士 岸 弘



