ビルトインガレージとは? メリットや設計のポイントを解説
コラム

車好きの方やマイカーをお持ちの方にとって、駐車スペースは家づくりの必須項目といえるでしょう。そんなニーズに応えてくれるのが、建物と一体化した「ビルトインガレージ」です。今回は、ビルトインガレージの基本からメリット、設計時のポイントまで、詳しくご紹介します。
目次:
ビルトインガレージとは?

ビルトインガレージとは、住宅の1階や地下など、建物の内部に組み込まれたガレージのことを指します。いわゆる「家の中にある車庫」で、屋外に独立して設けるカーポートとは異なり、建物と一体化しているのが大きな特徴です。都市部など敷地が限られた場所でもスペースを有効に活用できる点が、多くの方に選ばれている理由のひとつです。また、駐車スペースとしてだけでなく、趣味の作業場や収納スペースなど、多目的に使えるのも魅力。特に注文住宅では、ライフスタイルに合わせた自由な設計ができる点も人気を集めています。
ビルトインガレージのある家のメリット

・雨の日でも濡れずに乗り降りできる
ビルトインガレージ最大の利点は、家の中から直接車にアクセスできること。買い物帰りの荷物も、すぐに玄関やキッチンに運べるため、動線がとてもスムーズです。特に子ども連れや高齢のご家族がいる場合でも、雨風にさらされることなく快適に移動できるのも嬉しいポイント。重たい荷物やベビーカーの積み下ろしの負担も軽くなることで、毎日の生活が楽になります。
・防犯性・防災性が高い
ビルトインガレージは、外から車が見えにくくなる構造のため、防犯性が高まります。車上荒らしなどのリスクを下げられるほか、夜間に帰宅する際にも安心です。また、地震や台風といった自然災害から車を守りやすく、万一のときには避難・移動手段として活用できるのも大きな魅力。車からダイレクトに室内へアクセスできる点も、家族の安心につながります。
・趣味や収納スペースとしても活用できる
ビルトインガレージは、車を置くだけでなく、多目的スペースとしての活用もおすすめ。例えば、DIYやキャンプ用品の収納、バイクや自転車のメンテナンス空間として使えます。屋外に物置を置かなくても、ガレージ内に十分なスペースを確保できるので、すっきりとした外観を保ちながら、実用性もバッチリ。趣味を楽しむ“自分時間”の場所としても理想的な空間です。
ビルトインガレージのある間取りづくりのポイント

・動線を意識した設計を
ガレージから玄関やキッチンまでの移動距離は、できるだけ短く・スムーズにするのが理想です。買い物の荷物をそのままキッチンへ運べるような動線があれば、日々の負担が軽減されます。家事動線や子どもの送り迎えも考慮して、ガレージ→玄関→LDKのつながりを意識したレイアウトにすると、暮らしが格段に便利になります。
・換気・断熱対策をしっかりと
ガレージは密閉された空間になりがちなので、排気ガスや湿気がこもらないよう、換気計画がとても重要です。排気ファンの設置や、通気口の配置などを検討しましょう。また、ガレージの上に居室がある場合には、断熱や防音の対策も忘れずに。夏は熱気がこもりやすく、冬は寒さが伝わりやすいため、性能の高い断熱材を使用することをおすすめします。
・ガレージ内の照明計画も大切
ビルトインガレージは、屋内空間の一部として使うため、照明計画も住まい全体と同様に丁寧に考える必要があります。日中でも暗くなりがちなガレージ内では、作業や荷物の出し入れや車の乗り降りをスムーズに行うためにも、十分な明るさが必要です。センサーライトや手元を照らす補助照明を設置することで、使い勝手も格段に向上します。防犯面からも、夜間の明るさは大きな安心材料になります。
・ライフスタイルに合わせた広さと機能性
ガレージに何台車を停めるか、駐車だけでなく、趣味スペースや収納も兼ねるかによって、必要な広さや設備は変わってきます。車1台分であれば約2.5m×6.0mが目安ですが、将来のことも見据えて少し余裕のある設計が安心です。また、自動シャッターやEV充電設備など、将来的な使い方に対応できる設備を取り入れると、長く快適に使える空間になります。
まとめ
ビルトインガレージは、限られた敷地を有効活用しつつ、快適で安心な暮らしを実現してくれる設備です。防犯性や利便性だけでなく、趣味やライフスタイルにも合わせられる柔軟性も魅力のひとつ。家づくりを考えるうえで、家族の今と未来を見据えた間取りの選択肢として、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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著者:一級建築士 岸 弘