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平屋に必要な平均坪数とは? 人数・家族構成別の目安や間取り、注意したいポイントを解説

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平屋に必要な平均坪数とは? 人数・家族構成別の目安や間取り、注意したいポイントを解説

バリアフリーや自然に親しみやすいとの理由から、近年平屋住宅の人気が高まっています。では実際に、平屋住宅を建てようと思ったとき、どのくらいの広さが必要になるのでしょうか。今回は、共に暮らす家族の人数に合わせた、平均的な平屋住宅の広さについてご紹介しましょう。

平屋の平均坪数【人数別】

平屋の平均坪数【人数別】

1人暮らし(20坪程度)

1人暮らしで快適な平屋を建てるなら、20坪前後が平均的な広さです。約66㎡の広さがあれば、リビング・寝室・水回りをすっきり配置でき、シンプルな生活動線が実現します。掃除や管理がしやすいのも、平屋ならではの魅力。ミニマルな暮らしを実現しながら、開放感や使い勝手も妥協したくない方におすすめのサイズです。

夫婦2人暮らし(24坪程度)

2人暮らしに最適な平屋の広さは24坪程度が一般的です。この広さがあれば、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)をゆったりと配置し、寝室や書斎、収納スペースも十分に確保できます。夫婦やカップルで快適に過ごせるバランスの取れた間取りが実現でき、将来的に趣味や在宅ワークスペースとしても活用しやすい点が魅力です。

3人家族暮らし(30坪程度)

3人暮らしの場合、30坪程度の平屋が理想的です。家族全員が快適に過ごせるよう、それぞれのプライベート空間を確保しつつ、ゆとりある広々としたLDKや収納スペースも充実させることができます。子ども部屋や多目的室を設けることで、成長に合わせた柔軟な使い方が可能となり、家族のライフスタイルに適した間取りが実現します。

4人家族暮らし(35坪程度)

4人家族の場合、35坪程度の広さがあると快適に暮らすことができます。家族全員の個室やLDKの広さを十分に確保でき、収納スペースも充実するでしょう。子ども部屋を2部屋設け、家族の共有スペースを広くするなど、家族の成長やライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる設計が可能となります。

平屋の間取り実例【坪数別】

【約20坪】L字型LDKのある平屋

【約20坪】L字型LDKのある平屋

約20坪のL字型LDKが魅力のこちらの事例は、シンプルな長方形のフォルムと三角屋根が特徴です。広がりを感じるL字型リビングは、食事とくつろぎの空間を緩やかに分け、カウンターキッチンからは前庭の景色も楽しむことができます。大容量のシューズクロークやウォークインクローゼットが収納力を高め、アクセントクロスや木の温もりを感じる造作家具が、シンプルながらも温かみのある快適な暮らしが実現します。

【約30坪】間仕切のない広々空間の平屋

【約30坪】間仕切のない広々空間の平屋

こちらは敷地面積が120坪を超える広大な土地に建てられた、約30坪の平屋です。30坪というと3人でも余裕を持って暮らせる広さがありますが、家から眺める広々とした庭がさらにゆとりを感じさせます。また、室内の仕切りが少ないことで視線の行き止まりがなく、十分な開放感も味わうことができます。家族の一員である小鳥も、室内にいながら自然を感じることができる、快適な住まいといえるでしょう。

【約40坪】家族がゆとりを持って暮らせる平屋

【約40坪】家族がゆとりを持って暮らせる平屋

約40坪のゆとりある平屋住宅は、おしゃれな片流れ屋根と和モダンデザインが特徴です。広々としたリビングは勾配天井とウッドデッキが織りなす開放的な空間で、窓からは和風庭園の景色を楽しむことができます。キッチンには明るさを確保するハイサイドライトや便利な背面カウンターを採用。玄関の大容量シューズインクローゼットや、アクセントクロス・照明など細部までこだわったデザインが、快適で上質な暮らしを叶えます。

押さえておきたい平屋のメリット・デメリット

押さえておきたい平屋のメリット・デメリット

メリット

平屋の大きな魅力は、生活がすべてワンフロアで完結する点。階段の上り下りがないため、小さなお子さまや高齢のご家族とも安心して暮らせます。また、家族の気配を感じやすく、コミュニケーションが取りやすいのも特徴です。そして、構造的にも耐震性に優れ、地震に強いという安心感も嬉しいポイント。さらに、メンテナンスしやすく、将来的なリフォームやバリアフリー化もスムーズに対応できます。ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるのも、平屋ならではのメリットです。

デメリット

平屋は広めの土地が必要になるため、都市部では土地探しに苦労することも。また、敷地面積が広がると建築費がかさむ傾向にあり、坪単価も高くなりがちな傾向もあります。間取りによっては、プライバシーの確保が難しい場合もあり、隣家との距離が近く窓の配置や目線が気になることも考えられます。日当たりや風通しも住み心地に影響を与えるため、プライバシーを確保しつつ採光や換気に配慮した間取りにするなど、設計段階から事前にシミュレーションすることが非常に重要です。

平屋を建てる際に注意したいポイント

平屋を建てる際に注意したいポイント

建ぺい率と容積率

平屋は1階だけで完結するため、土地に対してどれだけ建てられるかを示す「建ぺい率」と「容積率」の確認が重要となります。建ぺい率は敷地に対する建築面積の割合、容積率は延床面積の割合を示します。平屋の場合は延床面積がほぼ建築面積と同じになるため、注意が必要です。例えば建ぺい率60%・容積率100%の土地では、100㎡の敷地に対し60㎡の平屋が限界。思ったより小さな家になる可能性もあるため、希望の広さと間取りが実現できるか、土地選びの段階から確認しておくことが大切です。

日当たりと風通し

平屋は建物の高さが低いため、周囲の建物や植栽の影響を受けやすく、日当たりや風通しに配慮が必要です。特に南側に2階建てが隣接していると、日差しが遮られることも。リビングや寝室の位置、窓の配置を工夫することで、自然光と風をうまく取り込むことができます。また、中庭や吹き抜けを活用する設計も効果的と言えるでしょう。気候や季節を快適に感じながら暮らすには、プランニングの段階で外部環境とのバランスを考えることが大切です。

プライバシーやセキュリティ

平屋は外部からの視線が入りやすい構造でもあるため、プライバシーや防犯面に配慮する必要があります。特に道路に面した窓や、通行人から室内が見えやすい場所は要注意。目隠しフェンスや植栽、すりガラスの活用などで視線を遮る工夫が有効です。また、窓の鍵やセンサーなど、防犯設備の充実も重要。開放感と安心感のバランスを取ることで、家族みんなが落ち着いて過ごせる住まいが実現します。

土地代と建築費のバランス

平屋はどうしても広い土地が必要になるため、土地代が高くなりがちです。また、2階建てと比べて基礎や屋根の面積が広くなるため、建築費も割高になる傾向があります。予算内で理想の平屋を建てるには、土地代と建物コストのバランスを見極めることが大切です。郊外で広い土地を確保しやすいエリアを選ぶ、または間取りをコンパクトにしてコストを抑えるなど、柔軟な視点が必要です。資金計画は、ライフプランに合った無理のない内容にしましょう。

まとめ

今回は、平屋に必要とされる人数別の坪数についてご紹介しました。家の広さはもちろん、そこに住む人の数によって違いがあります。家族は成長していくものあり、年月を経て暮らし方が変わることもあるでしょう。家を建てるときは、そういった家族の成長に合わせて、暮らし方を柔軟に変更できるような住まいづくりを考えてみましょう。

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著者:一級建築士 岸 弘

           

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