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注文住宅で高気密・高断熱の家を建てる際のエアコンの選び方とは?

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家づくりの情報誌を見たり、展示場を訪れる中でお気づきの方も多いかと思いますが、新築住宅の住環境における性能は年々上がってきています。特に高気密・高断熱住宅においては、国の政策もあり、省エネ住宅としての基準となる数値も上がってきています。今回は高気密・高断熱の家における最適なエアコン選びについてみてみましょう。

高気密・高断熱の住まいのエアコンの選び方

高気密・高断熱の住まいに適したエアコン選びには、カタログに表示されている「対応畳数表示」だけを基準にしないことが重要です。この表示は、1964年に無断熱住宅を基準に設定されたもので、現代の高性能住宅には適していません。高気密・高断熱住宅では、エアコンの機能が効率的に発揮されるため、通常の住宅に比べ、より少ない畳数表示のエアコンで十分な空調管理が可能です。例えば、床面積に対する断熱性や気密性を計算すると、対応畳数表示の何倍もの空間でも機能する場合があります。ただし、吹き抜けや仕切りが多い家では、空調が隅々まで行き届きにくくなるため、適切な計算を行い最適な容量のエアコンを選びましょう。

高気密・高断熱の住まいはエアコン1台で大丈夫?

高気密・高断熱の住まいなら、エアコン1台で家全体を快適に保てるのでは? と思われるかもしれません。しかし、これにはいくつかの条件を満たす必要があります。まず、エアコンの風を家全体に循環させるためには、壁やドアで空間が仕切られていない、開放的な間取りであることが必要です。間仕切りが多いと空気が届きにくくなり、エアコンの効率が低下します。その他、換気システムの適切な配置、部屋の用途により熱の発生が多いかどうか、等を考える必要があります。条件によっては個別のエアコン設置が必要な場合もあるので、エアコン1台で十分かどうかは、住まいの設計やライフスタイルに応じて検討するのが理想です。

高気密・高断熱の住まいにエアコンを設置する際の注意点

・エアコンを取り付ける位置

エアコンの設置位置は、エアコンを通して出る快適な温度の風を、効率よく室内に循環させるため重要なポイントと言えます。まず、外気の影響を受けにくるため、大きな窓のそばへの設置避けましょう。また、暖房運転時にはエアコン下に障害物がないようにすることで、温風が足元まで届きやすく、室内の温度を均一に保ちやすくなります。

・住まいに合わせた設置工事

高気密・高断熱住宅であっても、エアコンを効率的に使うためには、その設置工事にも配慮が必要です。例えば部屋が長方形の場合、風の流れを考慮して壁の短辺側に設置することで、室内全体に効率よく冷暖房が行き届きます。また、室内機と室外機の距離を近く保つことも重要で、配管距離が短いほど冷暖房効率は上がります。

まとめ

今回は、高気密・高断熱の家におけるエアコンの選び方について詳しくご紹介しました。高気密・高断熱の家であることが必須条件になってきている現代ですが、それだけでなく、エアコンについても設置場所や最適な能力を選ぶこと重要となってきています。家づくりと並行してエアコン選びについてもしっかりと計画ましょう。

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著者:一級建築士 岸 弘

           

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