カウンターキッチン、それは多くの方が憧れるものかもしれません。一言に「カウンターキッチン」といえど、その形態は様々なスタイルがあります。どんなデザインで、どういう役割を持たせたいのか？　それを考えながら、理想の「カウンターキッチン」を実現していきましょう。

1.「見守る」「目隠し」に重きをおいたスタイル

カウンターキッチンをリビングダイニングから、ある程度しっかり別領域として区切って作るオーソドックスなスタイル。ご家族の様子を見守ることができる控えめな作りです。ほどよく空間のハブのような存在ではあるものの、アイランドキッチンのような主役まではいかない存在感。また、キッチンの内部空間を適度に目隠しもでき、ダイニングからみた時のスッキリ感もキープできます。
キッチンの生活感を、隠したい場合におすすめのスタイルです。

2.スタジオのような開放感あるスタイル

こちらは、贅沢にキッチン空間の面積を広くとるスタイル。両側から出入りできるようにすることで、自然と家族もお手伝いをしやすくなる空間となります。大きくとった窓からの光も明るく降り注ぎ、家族がキッチンで過ごす時間も増えそうですね。
カウンター部分は低めにすることで、リビングダイニングにいる家族とも会話や作業が楽しめそうです。

3.カウンターキッチンを中心としたビストロスタイル

カウンターキッチンをぐるりと囲むように、ダイニングテーブルを密着させたようなスタイルは、居心地の良いビストロのようで会話もいっそうみそう。
お子さんも、ご自身の部屋に篭りっきりではなく、ここで過ごしたくなるかもしれません。
カウンターキッチンを中心に家族の密度をあげたい場合は、おすすめのスタイルです。
また、カウンターの高さを高めにすることで、調理や片付けの手元を隠し、来客時のおもてなしもスムーズにできそうですね。

いかがでしたでしょうか。一言で「カウンターキッチン」といえど、そこにどういった役割を期待するかで、高さや広さ、はたまた動線の作り方まで変わってきます。
なんとなく「対面のキッチンで」というのではなく、カウンターキッチンを中心に誰とどのように過ごしたいのか？　そこから理想のスタイルを考えていくと、とても快適な空間となるかもしれません。

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著者：一級建築士　岸 弘