日々の生活の中で毎日必ず使うトイレの空間。リビングや居室のデザインにこだわっても、トイレまではなかなか気が回らないという方もいるのではないでしょうか。だからなのか、トイレはどうしても無個性で殺風景になりがちなスペースでもあります。とはいえ、トイレは家族が1日に何度も訪れる空間。だからこそ、トイレのデザインにもこだわっておしゃれなマイホームにしたいですよね。トイレという小さな空間のデザインにもこだわって、ワンランク上のマイホームを叶える事例をご紹介します。

1.壁に変化をつけるだけで簡単に垢抜けトイレ空間に

壁に変化を加えるだけでもトイレの生活感がぐっと減り、垢抜けた印象になります。こちらのトイレは白を基調とした清潔感ばっちりの空間です。ただの白い壁だけでは単調になってしまうところを、一部白いレンガ柄にすることで空間全体にリズムが生まれる好例ですね。

2.限られたトイレスペースにシンプルさと遊び心を両立

スペースが限られるトイレは、多くの要素を取り入れすぎると閉塞感が出やすい場所でもあります。そんな難しさのあるトイレデザインの中でも、バランスよく個性を散りばめたのがこちらのトイレ。壁の一部やペーパーホルダーにポイント使いで1960年代のレトロなガレージを思わせるアイテムを取り入れています。狭い空間ながら遊び心にあふれた素敵なデザインのトイレですね。

3.木の温もりを近くに感じるトイレ

面積が広い側の壁に、一面板張り風の壁紙を使用したトイレです。シンプルでありながら、木の自然な木目がアクセントになっていますね。また、小さな手洗い場の蛇口やペーパーホルダーにさりげなく取り入れられた黒が空間にメリハリをつけて、カフェのようなおしゃれな印象にしてくれています。狭い空間だからこそ木の温もりを感じられる、居心地の良いトイレデザインです。

4.トイレとは思えない？　ホテルのようなデザインのトイレ

爽やかなライムグリーンとヨーロピアンテイストの優美な花柄の模様がエレガントな印象のトイレです。腰壁には大理石のような艶感ある素材を使用し、まるでホテルのような落ち着いたデザインになっています。階段下のスペースを有効につかう工夫として、滞在時間の短いトイレを利用することがありますが、まるで天井をデザインしたかのように上手く空間に馴染ませています。

5.色んな要素を少しずつ取り入れた楽しい空間のトイレ

こちらも白を基調とした空間ですが、深みのある落ち着いたカラーのアクセントクロスが爽やかなトイレです。無地の落ち着いた色合いのクロスに、可愛らしい星型の照明が映えますね。適度に個性もありつつ、トイレに求められるクリーンな雰囲気もきちんと兼ね備えています。

さらに、向かいの手洗い場は、アクセントクロスの色と調和する綺麗なブルーのタイルが目をひきます。色のトーンを統一させつつ、手洗い場のタイルは限られた面積にしているのがポイント。こうすることで様々な要素を取り入れながらも、全体が調和したデザインにできるのです。

日常で何気なく使うトイレはデザインも後回しになりがち。しかし、限られたスペースでもこれだけ様々なデザインを楽しめる空間はトイレだからこそです。リビングや居室では、なかなか挑戦できないデザインを思い切ってトイレに取り入れるのもいいでしょう。トイレをお気に入りのデザインにして周りと差がつくマイホームを実現しましょう。

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著者：一級建築士　岸 弘